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Engineer Task Force 2018 レポート

富士通クラウドテクノロジーズ AdventCalendar 2018 25日目です。

qiita.com

皆さまこんにちは!Merry Christmas!25日間お疲れさまでした。

最終日は、Engineer Task Force 委員長の織田がお送りします。

とみたさんの後にお送りするのはプレッシャーが半端ないです。

Engineer Task Force については、昨年の Advent Calendar の記事をご覧ください。

tech.fjct.fujitsu.com

 

この記事では、 Engineer Task Force が取り組んだ施策の中から、いくつかご紹介差し上げる形で締めくくりたいと思います。

 

エンジニアのビジョン形成に向けて

FJCT はクラウドサービスデータ・AIソリューションサービスといったサービスを内製によって提供している事業会社になります。
自らサービスを構築し世の中にバリューを提供する上で、我々は何をビジョンとし、どのようなスタンスで、何を重要視しながら働いていくのか、これを明確にする必要性があります。

まずはエンジニアのロールモデルとスキルマップでベースを構築

そのために、まずエンジニアスペシャリストのキャリアを確実なものにするため、

  • エンジニアスペシャリストの定義付け
  • クラウドエンジニア、データサイエンティストのスキルマップの定義付け
  • スペシャリスト幹部社員に求められる要件の定義

など "How" の部分を進めていきました。

12月現在でもまだ微調整を行っており、人事制度への足掛かりや調整の段階ではありますが、

  • FJCT がカバーする技術領域
  • 評価の対象となる技術
  • 評価軸や要求されるスキルの見直し体制
  • 一般クラスから幹部クラスまでに必要となるスキルとカバー範囲の定義
  • 定量化するべき評価軸と定性を維持する評価軸の議論

などが、毎週議論され、経営・幹部・人事などを中心に制度化に向けて進んでいます。

FJCT のエンジニアが実現するビジョンをエンジニアたちが掲げる

そして、最も重要な "What" の部分である、FJCT の技術ビジョン、行動哲学、行動規範を築いているのが今現在となります。

これらをどのように進めているのかは以下の通りです。

  • Engineer Task Force x 人事のワーキンググループで骨子と大方針を策定
  • 社長との会議において、提言と承認
  • 技術系幹部との事前相談での調整
  • ワーキンググループでたたき台を作成( gitlab の issue )

今後の予定として、

  • Slack でエンジニア全員が参加するチャンネルに issue を共有して叩きあげる
  • ワーキンググループで完成形を作成して経営に報告

を控えています。

これにより、我々は何を目指し、どのように振る舞い、実現に向けて何を用いて、それがどのようなプロセスで評価され、そのためにどんな課題を解決するのかが明文化される計画です。

 

 

なぜこれらが必要となったのか

これは会社や事業がどのフェーズにあるかによって必要性や必要とされる形が異なってくると考えています。

企業や事業には、創業期、成長期、成熟期、衰退期とサイクルがありますが、
これに併せて組織そのものもそのサイクルに適した形に変化しなければならないと考えます。

FJCT は旧ニフティの頃より創業32年目を迎え、
分社化を経て主力事業となるニフクラは 2019年で 10年目を迎え、
一方でデータ・AI の事業は 3年目を迎えます。

それぞれの事業の主軸はフェーズに応じた形で
求められるスキル、スタンス、評価軸などが異なります。

安定が求められつつ変革を実行しなければならない事業のエンジニアがもつミッションと、新規事業として成長をしていく事業のエンジニアがもつミッションが別々で存在し、これらのベースとなる組織全体のエンジニアのビジョンと行動哲学があることによって、我々は今後、どのようなふるまいをするべきかを自ら判断して進められるようになります。

ビジョンや評価軸が形骸化しないために

ビジョンは掲げただけでは機能せず、スキルマップやロールモデルも設定しただけでは機能しません。

心理的安全性を得るために、アンケートの実施とその集計や、1on1 の推進などを実施しながら、Engineering Manager のコミュニティへの積極参加や、re:Work などを参照しつつ、試行錯誤をしながらも実体化に向けた継続性を重視して推進を図っています。

ここで、Engineer Task Force として重要視しているのは、
完璧な形を築くことではなく、「主体的に変化すること、変化に対応できる組織体を維持すること」においています。

議論に参加する、変化に意識を向けやすくする体制を作るため、1on1 のほかに

  • エンジニアを対象とした全体会議の実施
  • Slack での周知と gitlab の issue での議論の共有
  • 社内 LT 大会に参加して、Engineer Task Force の活動報告

などを行っており、さらに 2019 年では、

  • 部門横断型の 1on1 (定期ヒアリング)
  • ビジョン提示後の心理的安全性に関するアンケートの実施

などを予定しています。

エンジニアリングで組織に貢献する

Engineering Task Force は、エンジニアのマネジメントを主眼には置いておらず、

  • For Engineers :エンジニアのための施策
  • By Engineering :エンジニアリングで組織活性、効率化の推進

をコンセプトとして主軸に置いています。

これに基づいて、2018 年では以下のような施策を実施しました。

For Engineers

エンジニア1人1人が、市場価値の高いエンジニアとしてキャリアを形成できるよう、スキルの向上や情報収集・意見交換の機会を創出するために、

  • 各部での開発合宿の推進と効果の検証から経営・人事への支援制度化に向けた準備
    → いわゆる「文化」や「好意」を元に慣例化している活動の中で、ちゃんと正式な活動として残しておきたいものを支援制度として、稼働時間の中から正式に参加できるようにすること
  • NIFcLounge による、外部カンファレンスや勉強会の誘致開催
    → 社外のエンジニアとの交流や情報収集の機会を多く持ち、かつ参加するためのハードルを低くすることで、積極参加が可能な環境を維持すること
  • 海外カンファレンスや国内の有料カンファレンスへの参加・渡航費の支援
    → 上記と同じ意義を持ち、かつ刺激を取り入れながら世界の動向に常にアンテナを張れるための支援を継続すること
  • 社内勉強会や、社内LT大会の推進
    → 情報共有を活性化し、ノウハウやナレッジの共有を基本とした個のスキルアップを図る

といった施策を行っています。(検討段階のものも含む)

By Engineering

一方、エンジニアリングによる効率化やシステム化の取り組みとして

  • 新人技術研修のライン業務化
    → カリキュラムの選定など内製化が出来たので、正式な業務として運営や講師に対応した人たちが評価され、部門の戦略に基づいた技術研修の実施を可能にする
  • DevOps をはじめとした、社内データの活用や、システムの独立、新たなシステムの導入、既存システムの廃止など情シスとの連携を深めながらサイクルが機能するための活動を展開
  • アカウント管理などの統合化と、運用フローの半自動化の実現
  • 経営戦略部門との共同プロジェクトで、社員全体を対象とした社内制度や環境、課題のヒアリングを行う意見箱を gitlab で運用

などを行っています。

継続した活動を維持するために

継続性を高めるうえで最も重要なことはバリューを提供し続けられることであると考えます。

それぞれの視座・視点において何がメリットとなるのかを考慮し、
どのタイミングで効果があると実感してもらえるのかを考え、
組織にとって実益があることが重要となります。
エンジニアリングと離れてしまいますが、組織横断型のエンジニアリングマネジメントといった活動は、合理性と協調性を織り交ぜた調整業だなと実感しています(笑)

Engineer Task Force では大まかに、下図のようなフローで調整や報告を行いながら、組織的課題に技術の視点から当たっています。

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決して、エンジニア単体で完結せず、常に組織全体を視野に入れて、関係各所との連携を重視しながら、いかに効率化や解決へのアプローチをかけられるか、非常に難しいですが、これからも FJCT のエンジニアリングが進化し続けられるよう、その基盤を支えられるチームでありたいと思い、2019 年も継続して活動を行っていきます。

2018 年お疲れ様でした。

 

最後に、皆さま良いお年をお過ごしください!
来年も引き続き、富士通クラウドテクノロジーズをお引き立てくださいますようお願い申し上げます。