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FJCT エンジニアタスクフォース 2019 レポート

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みなさんこんにちは! エンジニアタスクフォース (以下 ETF) 副委員長の竹内 (id:tily) です。 FJCT Advent Calendar 2019 最終日は、毎年恒例となった ETF の活動報告をお送りさせていただきます。

ETF とは?

ETF は弊社内で運営されているエンジニア労働組合的な位置づけの組織であり、エンジニアが抱える課題をエンジニアリングで解決すべく、各種の活動を行っています。 (現在メインメンバーは 10 名程度で、後述の各種活動については数 10 名単位で社内のエンジニアが支援してくれています。)

この記事を読むことで、2019 年に ETF が実施した具体的な活動内容を知り、ざっくりと弊社の自律的なエンジニア文化を感じることができると思います。

なお、これまでの経緯・活動詳細については、2017 年2018 年 の記事も合わせてご参照ください。

2019 年の活動一覧

細々とした改善活動は随時やっているのですが、今年実施した主な施策は下記になります。

以降のセクションで各施策の概要をご紹介したいと思います。

FJCT エンジニアビジョンの公開

昨年から検討中であったエンジニアビジョン について、今年に入ってからも継続して議論・検討を重ね、社長をはじめとしてさまざまな方のレビューを経たうえで、6 月に無事公開することができました。

下記がその内容になります。

FJCT Engineer VISION | 富士通クラウドテクノロジーズ株式会社 採用情報

  • 技術ビジョン
    • 世の中を一歩前へ
    • Move the world a step forward with tech.
  • 技術ミッション
    • 難しい技術を使いやすく
    • Make complex tech easier to use.
  • 行動哲学
    • TRY & SHARE
  • 行動指針
    • Fail Fast
      • 不確実性と向き合い、失敗しながら確実に前進しよう
    • Tech Power Up
      • 世の中に価値を提供できるイケてるエンジニアになろう
    • The Team
      • 一人ではできない大きなことを、このチームで成し遂げよう

ざっくりと弊社の技術的なビジョン・ミッションや、それに基づくエンジニアの行動方針が伝わるのではないでしょうか。

(サイトの記述が少しあっさりしているので、別途解説やビジョンに基づいた事例などの公開を検討しています。)

今年 6 月以降の ETF 活動は、上記のエンジニアビジョンを念頭に計画・実施されています。

新人技術研修

FJCT では、ETF 主導で社員の内製による新人技術研修を実施しています。

今年で 4 年目となる取り組みとなりますが、講義資料の作成~講義の実施までを、社内のエンジニアが分担して行っています。

今年のカリキュラムは下記のようになっていました。

  • 集中講義 (4/18~4/26)
    • 目的
      • 1 週間連続で集中的に講義することで職場体験前に最低限必要な知識を身につける
    • 内容
      • 第1回 ニフクラ接続方法、FJCTセキュリティ、Linux
      • 第2回 バージョン管理、git
      • 第3回 Python
      • 第4回 テスト
      • 第5回 開発フロー
  • 共通講義 (5 月中)
    • 目的
      • エンジニア志望ではない新人も含めて FJCT で働く上で必要な基礎知識を身につける
    • 内容
      • 第1回 データ活用
      • 第2回 ニフクラ実践入門①
      • 第3回 ニフクラ実践入門②
  • 連続講義 (5/31~8/2)
    • 目的
      • 毎週 1 回、1 のテーマに対する講義を行い、FJCT の専門的な知識を獲得する
    • 内容
      • 第1回 HTTP, WebAPI
      • 第2回 ネットワーク 1
      • 第3回 ネットワーク 2
      • 第4回 サーバーの問題調査と監視
      • 第5回 サーバーの構築方法, 構成管理, CI, CD
      • 第6回 Docker
      • 第7回 データベース
      • 第8回 ログ収集、可視化
      • 第9回 継続的ソフトウェア開発
      • 第10回 トラブルシューティング演習
  • 開発演習 (9/20~27)
    • 目的
      • ここまでに習得したスキル・知識を応用し、社内から募集した身近な技術的な課題を解決してみる
    • 内容
      • 部の備品管理システム
      • プロジェクトに対する所要時間の集計
      • NIFcLounge のワークフローを自動化を改善する
      • 社内への障害エスカレ自動化
      • 各システムに散らばる課題の収集・再表示
      • LT 大会の手動作業の自動化

特に今年は、弊社のシニアエンジニアであり MySQL 関連の OSS 活動で知られる、とみたまさひろ (id:tmtms) がデータベースの講義を受け持つ等、非常に充実した内容となっていました。
また毎年最後に行われる開発演習では、社内の身近な課題を新人さんたちがフレッシュな視点で解決してくれるので非常に助かっています。

年を重ねるごとに内容が充実してきているので、そろそろ講義資料を GitHub で公開するような取り組みなんかもやってみたいと、担当者内では話しています。

DevOps / ChatOps ツール運用

実際にニフクラサービス開発の現場で DevOps を行っているエンジニアが、情シス部門をサポートする形で Slack / OneLogin / GitLab / Redmine の管理・運用を行っています。

これにより、Slack 上のチャットボットを中心的なインタフェースとして、各システム (GitLab / Redmine / Jenkins / Zabbix 等) が連携しあう ChatOps の世界が実現されています。

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(FJCT における ChatOps の詳細については モダンな開発・運用環境を導入するために奮闘した(している)話 2018 - FJCT Tech blog をご参照ください。)

特に社内 GitLab については、隔月のペースでメンテナンス作業を行い、パッチ適用やバージョンアップによりアプリを最新化することができています。また、OneLogin - GitLab 間でユーザー情報を同期するバッチを開発するなど、情シス部門だけでは行えないようなタスクを現場のエンジニアがサポートにより実現しています。

一方で、社内 Redmine については GitLab ほど活発にメンテは行われていませんが、かなり歴史が古いものとなっており、現在では 25 万を超えるチケットがこのシステムで管理されています。

ちなみに、社内 GitLab も社内 Redmine も、もちろんニフクラ上のサーバーで動いています!

社内外イベント開催

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ETF では社内・社外ともに技術系イベントの開催を推進を行っています。

社内に関しては、主に LT 大会の推進を行っています。大会には毎回興味深いテーマが設定されており、2019 年には計 6 回の LT 大会が実施されました。今年からは、人事部門と連携して飲み物やピザの軽食が提供されたり、LT 大会で発表してくれた人に参加賞が配布されたりと、よりいい感じに運営が回るようになってきています。

  • 4 月: 嘘つき大会
  • 5 月: 某障害の振り返り
  • 6 月: ドキュメント
  • 7 月: 私の失敗
  • 9 月: ツール・サービス
  • 11 月: 業務ハック

また社外勉強会に関しても、ニフクラウンジで積極的な勉強会のサポートを行っています。2019 年だけで 19 件の勉強会がニフクラウンジを利用して開催されました。なお、今年のニフクラウンジ活動に関しては、FJCT アドベントカレンダー 19 日目の下記記事もあわせてご参照ください。

社員の海外カンファレンス派遣

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こちらも毎年実施している取組みですが、今年は 3 つの海外技術イベントに計 7 名の社員を派遣しました。

参加者に期待されているのは主に、イベントで最新の動向や現場の熱量をキャッチし、その内容を社内に共有してもらう役割です。

が、今年は、イベントでの他社ビジョンの見せ方に影響を受けて、自社のビジョンの見せ方を改善する活動がはじまったりセキュリティ系のイベントで得た知識をもとに自社製品を攻撃した結果、比較的影響の大きい脆弱性を見つけたり (もちろん修正済)、というように、本来の目的にプラスする形で、得られた知見を実際の業務に反映するような動きもいくつか見られ、非常に実りの大きいものになったと思います。

まとめ

以上、少し分量が多めになってしまいましたが、2019 年の FJCT エンジニアタスクフォース活動についてご紹介しました。

富士通クラウドテクノロジーズは、エンジニアが主体的に動いて改善を推進していける、ベンチャー的な風土を持った会社であることを、少しでもお伝えすることができたでしょうか。

ご興味を持たれたエンジニア各位におかれましては、ぜひ採用情報のページもご参照ください。

それではみなさん、よいお年を~。