皆さんこんにちは。FJCT エンジニアタスクフォース フォース長 の 北條 ( id:Con_Humi ) と申します。
この記事は 富士通クラウドテクノロジーズ Advent Calendar 2022 25日目の記事です。
昨日の記事は、@kou-burger さんによる、「【FJCTQualityUp #2 】IaaS基盤のテスト環境を構築する仕組みと事例について」でした。
再仮想化の仕組みを用いてインフラそのものをテスタブルにしてフィードバッグループを小さくすることで、インフラを構成するコンポーネントの移行という大きな変更に対しても、効率的な検証・開発・テストを実現しています。
このように、FJCT では、エンタープライズ領域のシステムにも選んでいただける高品質なサービス提供を目指し、日々開発・運用の改善を続けています。
さて、 富士通クラウドテクノロジーズ Advent Calendar 2022 の最後の記事は、毎年恒例の FJCT エンジニアタスクフォースの活動について紹介させていただきます。
エンジニアタスクフォース とは?
FJCT エンジニアタスクフォース (以下 ETF) は、 現場のエンジニアが中心となり、日々の業務の中で生じる様々な課題に対して全社横断的にエンジニアの視点からの解決を試みる集団です。
FJCTのエンジニアコミュニティの中で、「日々の業務の中で感じる課題を解決したいぞ」というモチベーションの高いメンバーが集まり 、社内委員会という形で組織されています。
FJCT エンジニアタスクフォースは、社内委員会である 親会 と、個別の施策(ex. 社内開発基盤運用, 新人技術研修)を行う 子会 によって構成されており、現在親会は 10 名程度、子会はそれぞれの施策ごとに ~10名 程度の規模で社内有志メンバーが集まって活動しています。
この記事では、2022 年に ETF が実施した具体的な活動内容を紹介します。
これまでの経緯・活動詳細については、過去の記事 も合わせてご参照ください。
2022 年 with コロナ での業務状況
2021年 の記事では移転した川崎オフィスを紹介しましたが、現在も変わらず 原則リモート勤務 の形で業務が進められています。
ただ、2022年はワクチンの普及や感染者数低下のタイミングもあり、家庭の事情や気分転換など、必要に応じてオフィスで働くことを選択しやすくなったためか、昨年度よりも出社をして働くメンバーが増えたように感じています。
また、出社の際には川崎オフィスはもちろん、富士通グループが所有・契約している様々なサテライトオフィスから都合の良い場所を選ぶことが出来、働き方の多様性が増しているように思います。
Why ETF? の整理
ETFはFJCTの前身であるニフティ社で2014年に発足し、エンジニアが活躍できる職場を実現することを目指して様々な活動を進めてきました。
エンジニアキャリアパスとしてのスペシャリスト(技術系幹部職)の設立や、SlackやGitLabの導入といった社内業務環境のモダナイズを達成してきました。
結成8年目となり、当初の目標に対する一定の成果を収めた一方で、次にETFは何をするべきなのか見えなくなっているという課題が見えてきました。
当時からのメンバーが昇進してマネージャーやスペシャリストの幹部社員となり、社員にとってETFの存在が遠くなり、「ETFが何をやっているのか見えにくい」状態になっていました。
こうなると、新規参画者が増えず、ETFメンバーも本業で手いっぱいになり施策が思うように進められなくなっていきました。
そこで、「ETFが何をしたい組織なのか」を再整理することとし、10回ほど打ち合わせを重ね、メンバーのやりたい事やありたい姿を出し合い、共通項を見つけて文章に纏める作業を行いました。
そしていったん形になったものが以下の通りです。
現在FJCTのエンジニアタスクフォースは上記のような目的意識をもって活動をしています(意訳)。
我々はなぜここにいるのか
私たち富士通クラウドテクノロジーズはクラウドの開発・運営を生業とする集団であり、事業の根幹は技術力にある。 一方で、組織を構成するすべての人々が最新の技術トレンドやプラクティスに明るいわけではない。 現代的なトレンドやプラクティスを発信し、組織の選択肢を増やす存在が必要である。
私たちが技術力という事業の根幹を維持・向上させていくことは、事業の維持・発展にとって必要不可欠である。
そのために、優秀なエンジニアを集め雇用し続けることは重要な要素の一つである。 優秀なグループ内外のエンジニアに当社の事業・環境をアピールしプレゼンスの維持向上を図ることは、 私たちFJCTのエンジニアが担わなければならない。
そのために、組織全体の技術力の底上げを図ることもまた、重要な要素の一つである。 組織全体の技術力を底上げすることで、組織同士の円滑かつ迅速な連携を達成したい。
私たちがクラウドサービス事業を開発・運営する上で、セキュリティを含むサービス品質の維持向上は必要不可欠である。日々の開発・運営のエンジニアリングに円滑に組み込むことのできる品質・セキュリティ維持向上施策が必要である。
私たちエンジニアリングタスクフォースは、富士通クラウドテクノロジーズのエンジニアの代表組織として、事業の根幹たる技術力の維持向上を図り、世の中を1歩前へ進める当社事業の発展に寄与したい。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、アジャイルサムライで紹介されているインセプションデッキの冒頭です。
メンバー全員が腹落ちする内容を明文化することで、ETFの外からも認識しやすくなるだけでなく、自分たちが迷ったときに再訪できる拠り所となるものを目指しました。
現段階では上記の内容ですが、定期的に振り返り、その時々のメンバーに合わせたものにメンテナンスしていければと思います。
FJCT Quality Up 連載開始!
「我々はなぜここにいるのか」にある「優秀なグループ内外のエンジニアに当社の事業・環境をアピールしプレゼンスの維持向上を図ること」の一環として、FJCT社内で行われている品質向上につながる施策についての連載を始めました。
第1回目は当社が提供するニフクラ/FJcloud-Vの、IaaSアプリケーションを運用するメンバーにインタビューを行い、Ansibleでの構築・運用作業の自動化にまつわる苦労話や今後の取り組みを聞き出しています。
冒頭紹介した昨日投稿の記事が第2回目の記事となります。
それぞれの記事は下記リンクから是非ご覧ください。
komainu 子会設立
「セキュリティを含むサービス品質の維持向上は必要不可欠である」
先に示した「我々はなぜここにいるのか」に入れた一説ですが、昨今のセキュリティ攻撃はメールを起点としたランサムウェアやマルウェアと言った攻撃から、ミドルウェアやソフトウェアライブラリの脆弱性をついた侵入等多岐にわたります。
特に、開発・運用しているシステムの脆弱性を狙われるケースについては、開発・運用を行うエンジニアの力なくしては有効な対策を行う事が不可能です。
私たちETFはセキュリティもサービス品質の一部と考え、エンジニアリングの観点からセキュリティ対策を推進する子会を立ち上げました。
セキュリティは事業や会社を守る重要な要素であることから、寺社を守る狛犬に準えて「komainu子会」という名称としました。
現在計画されている komainu 子会の施策は様々ありますが、その一つに社内CTFの開催があります。昨年も社内有志のメンバーが中心となって1度開催され、当時の様子が記事になっていますが、回数を重ねることでCTF参加者のスキル向上やセキュリティ意識の啓蒙に繋がる施策だと考えています。
このほかの施策についても、ISMAPやISMSと言ったセキュリティ認証取得を推進する部門とも協力しながら、当社のセキュリティレベル向上に向けての取り組みを一層強化していきます。
まとめ
2022年もコロナ禍での業務が引き続き、私自身も気軽に雑談出来たコロナ前のころが懐かしく感じることも多くなりました。
雑談の機会が減ると、ETFのような有志で集まる場の運営にも難しさが出てくるように感じています。今年は「Why ETF?の再整理」という形でお題目を整えましたが、2023年はメンバー間でもオープンなコミュニケーションを取る機会を増やし、沢山ディスカッションする中で、自分たちとステークホルダーが幸せになる変化を巻き起こしていきたいと思っています。
当社にご興味を持たれた方は、是非 採用情報のページ もご参照ください。
それでは、長くなってしまいましたが2022年度ETF活動レポートを結びます。
皆様メリークリスマス。そして、良いお年を。