FJCT Tech blog

富士通クラウドテクノロジーズ公式エンジニアブログです

富士通クラウドテクノロジーズ

FJCT/Tech blog

FJCT エンジニアタスクフォース 2023 レポート

皆様こんにちは。メリークリスマス。

FJCT エンジニアタスクフォース(以下、ETF) フォース長 の北條( id:Con_Humi ) です。

 

この記事は 富士通クラウドテクノロジーズ Advent Calendar 2023 25日目の記事です。

機能の記事は、  @curry2325 さんの 「アラート通知メールの過去の調査記録を投稿する仕組み」 でした。

 

Slack Bolt フレームワークを使って、アラート通知時に過去の対応履歴を検索して参考情報として出してくれるBotを作っています。
アラート通知時という緊張する状況で過去の対応履歴を自動で出してくれるのは心強いのと同時に対応時間の削減にもつながり、運用の質がグッと向上しそうですね!

 

さて、 富士通クラウドテクノロジーズ Advent Calendar 2023 の最後の記事は、毎年恒例となりました、 FJCT ETF の活動についてです。

すでに公開されております通り、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社は富士通株式会社に合併 することになったため、今年の Advent Calendar が FJCTとしての最後の Advent Calendar です。そんな節目の最後の記事となりましたので、本記事では FJCT ETF の活動をサマライズして振り返る、そんなレポートとさせていただければと思います。

 

エンジニアタスクフォース とは

ETF

そもそも エンジニアタスクフォースとは、 現場のエンジニアが中心となり、日々の業務の中で生じる様々な課題に対して全社横断的にエンジニアの視点からの解決を試みる集団です。

FJCTのエンジニアコミュニティの中で、「日々の業務の中で感じる課題を解決したいぞ」というモチベーションの高いメンバーが集まり、社内委員会という形で組織されています。

ETFの発足秘話

ETFの発足は、FJCTがまだニフティ株式会社だった2015年頃に遡ります。

当時、社内のエンジニアの状況に問題意識を持つメンバーが中心となり、組織の技術力を向上させることでより一層事業に貢献する事を目指す組織として、「技術戦略委員会」という社内委員会が発足しました。

発足当時の資料を見ると、発足当時のメンバーが業務をする「環境」と組織を構成する「人材」の2つを改善したいという想いを見て取ることができます。

この「技術戦略委員会」が分社やらなんやかんやあって「エンジニアタスクフォース」になっています。

「秘話」というほどの話ではないのですが、FJCT社最後のアドベントカレンダーという事で、ETFが出来た経緯について触れました。

当社のETFがどういった考えで活動しているかは↓の記事に纏まっております。

tech.fjct.fujitsu.com

新人技術研修の手の内化

「育成」を改善する施策として始まったのが新人向けの技術研修の内製化です。

内製化以前の技術研修は人事部門が中心となり社内の業務に即した内容になるようカリキュラムを見直しながら、外部講師に依頼して研修を行っていました。

外部講師に依頼していた研修のうち、比較的新入社員の中でも入社時点の技術力の高いメンバー向けの研修を社内有志のエンジニアで巻き取って実施する形で内製研修をスタートしました。

 

内製化は、先輩エンジニアが教える立場に立つことで先輩エンジニア自身の学びが深くなるだけではありません。

先輩エンジニアがカリキュラムを考えるため、業務内容の反映はもちろん、一歩先の業務改善に必要になるような技術領域もカリキュラムに詰め込むことができます。(例えば、2016年の初回の内製技術研修では「機械学習」がカリキュラムに入っていたりしました。)

 

私が入社2年目の年から始まった内製技術研修ですが、詰め込まれすぎたカリキュラムに新人社員の受講者が四苦八苦した事は言うまでもありません。

しかし、毎年改善を重ね塩梅を調整することで、FJCTの事業にマッチしつつ新入社員にも辛くなりすぎない技術研修の内容に少しずつ近づけることが出来ました。

 

技術研修の詳細については以下の記事でも紹介しています。

tech.fjct.fujitsu.com

 

内製技術研修の課題はカリキュラムに苦しむ新人だけではありません。

世の中は「エンジニア不足」。率先して講師をしてくれていたエンジニアが昇進や転職で現場から離れると、「業務が忙しくて新人の講師をするエンジニアを出せない」という幹部社員の悲鳴が聞こえてきます。

 

ETFと当社人事部門は、関係各所と議論の結果、「技術研修の内製化」によってFJCTの事業に必要なカリキュラムがある程度固まってきたと評価し、そのナレッジを生かして技術研修を外注する事を決めました。

外注1年目は内製化前からお付き合いのあった外部講師に依頼、翌年はグループ会社に依頼先を変えるなど、環境の変化で試行錯誤する部分はありつつも、内製化で導入したメンタリングを継続したり、ハンズオンやトラブルシューティング等の外注出来ないカリキュラムは内省を継続したりして、カリキュラムの面で内製研修と大きく変わらない内容を提供することが出来ました。

 

FJCTの新人技術研修は「外注」→「内製」→「外注」と変遷を経て今に至りますが、新人研修を内製化に取り組んだからこそ、研修内容の再検討・ブラッシュアップが達成でき、再度外部に依頼することになっても蓄積したナレッジを生かした研修を実施できており、今風の言葉を借りると「手の内化」が実現できたのではないでしょうか。

開発環境の改善に向けた取り組み

ETF発足当時からの問題意識のもう一つは「環境」についてでした。

当時の資料や記事を読むと、「エンジニアの仕事環境」と聞いて多くの人が思い浮かぶであろう「業務端末」の問題にとどまらず、開発資産やナレッジを含む情報の共有とコミュニケーションに課題感を感じていたことが読み取れます。

上記の課題感を解決するために、ETFでは様々な活動を行ってきました。

 

ニフティ社時代に遡ると、当時Windowsしか提供されていなかった作業端末にMacを導入する活動を行ったり、IoTデバイスを検証・研究するために、社内ネットワークとは分離されたネットワークが提供された実験部屋を作ったり。これらはオフィスの移転などを経て廃止されましたが、ETF発足当初から現在まで続いている施策が、情報の共有とコミュニケーションの課題を解決するために導入され、その後の ChatOps や DevOps のコアとなった社内基盤の導入・運用です。

 

Mattermost や ChatWork と言ったコミュニケーションツールの検証から始まり、Slackの選定や導入に至る様子は、過去のAdventCalendarの記事に詳しくありますので是非ご覧ください。

ニフティ株式会社にモダンな開発・運用環境を導入するために奮闘した(している)話 #Slack - Qiita

モダンな開発・運用環境を導入するために奮闘した(している)話 2nd - FJCT Tech blog

モダンな開発・運用環境を導入するために奮闘した(している)話 2018 - FJCT Tech blog

 

コミュニケーション基盤としてSlackを活用する一方で、開発・運用の基盤としては GitLabを活用しています。

GitLabの導入は 2014 年頃に遡りますが、当時の社内はGitLabだけではなく、BitBucket や Redmine 等があり、チームやプロジェクト毎に異なる環境を利用している状況でした。そんな状況から、分社を経てGitLabが全社の開発・運用基盤となる様子は↓の記事に纏められています。

tech.fjct.fujitsu.com

社外エンジニアコミュニティへの貢献

当社は様々なオープンソースソフトウェア(以下、OSS)を使って開発・運用を行っています。それだけではなく、当社のエンジニアは数多くの社外コミュニティが運営する勉強会やカンファレンスに参加し、知見やモチベーション得て日々の業務に活かしています。

FJCTでは、そんな社外のエンジニアコミュニティに何らかの貢献ができればと考え、エンジニアやクリエイターコミュニティ向けに会議室を貸し出す「ニフクラウンジ」や、ニフクラを操作するツールやSDKOSSとして公開するといった取り組みを行ってきました。

ニフクラウンジ」は2019年に銀座にオフィスを移転したことをきっかけに始まった施策で、多くの方にご利用を頂きました。2021年にオフィスを川崎移転したため現在は終了しています。ご利用いただいた皆様のお役に立てていれば幸いに思います。

OSS公開は現在も続いており、GitHubにて様々なツールやSDKを公開しています。
ニフクラやFJcloud-Vを利用する際には是非ご活用いただければと思います。

github.com

Issueやプルリクエストも大歓迎です。

エンジニアが集まる組織に向けた取り組み

当社は数少ないの国産クラウドの事業者として、一緒にクラウドを作る仲間を募集し続けてきました。
新卒採用では毎年優秀なメンバーを採用できている一方で、中途採用は応募そのものが少なく採用に苦心した年も多くありました。

その要因を考えてみると、そもそも当社の存在の認知が少ないのではないかという仮説が立ちました。採用では業界全体が競合となる中で、FJCTという会社を知っていただけなければ、FJCTに応募するという選択肢が検討のテーブルに載る事すらありません。

知名度を上げる手段は数多くあり、広告の活用や採用プラットフォームの利用(課金)、カンファレンスへのスポンサーとしての露出、オウンドメディアによる発信等、明確にお金のかかるものから社内の工数で地道に取り組むものまで多種多様です。

そんな中でETFでは、カンファレンスへのスポンサーやこの FJCT Tech Blog による発信の活動を行ってきました。

FJCT Tech Blog では昨年度より 「FJCTQualityUp」という連載 に取組んだり、それをきっかけに プライベートブリッジチームの連載 が始まったりと、活性化に取り組んでまいりました。

1年間記事の更新頻度を上げることで、ブログへのアクセス数は昨年度比2倍を達成することが出来ました。

エンジニアが長く働きたいと思える組織に向けた取り組み

私たちの仲間が新たなステップに向けて新天地に旅立つ、つまり「転職」は逃れられない事であり、新たな門出という嬉しい事ではあるのですが、一方で少し寂しい出来事でもあります。

ETFでは、FJCTのエンジニアが「FJCTにはエンジニアとして大成するチャンスがある」と感じることが出来るよう、エンジニアキャリアパスの整備に取り組んできました。

ETF発足当時は「課長・部長・本部長」等マネジメントしかなかった幹部社員の役割に「技術幹部」という役割を設ける提言・制度策定支援を行い、「チーフエンジニア/プリンシパルエンジニア/シニアエンジニア」という新たな幹部社員の職制を制定しました。

また、FJCTのエンジニアリング活動の方向性を示す「エンジニアビジョン」を策定 したり、それをより具体的に考え、5年後のエンジニアリングの状態を想像・規定して目の前の業務に反映できるようにする「技術目標」の策定を行ったりしています。

このほかにも、 12/23の記事で取り上げられていた「社内CTF」 や「LT大会」等、仲間同士で交流しながら切磋琢磨出来る仕掛けを行い、楽しみながら成長するカルチャーを育てています。

まとめ

こうして振り返ると、2015年の発足当時から今まで数多くの施策を行ってきたのだなと感じます。ここまでで言及できなかった、認定スクラムマスター増員や、社外講師を招いた講演会の実施などをはじめ、その時々のFJCT(当時のニフティ)の組織の技術力の向上のために数多くの施策に取り組んでまいりました。

会社の状況や予算が取れたり取れなかったりで出来た施策/出来なかった施策はありますが、その時々の現場の状況に応じて、現場のメンバーが中心となって必要な施策を考えて、管理職や経営層を巻き込んで実現するという現場起点の活動は、ETFならではの活動だと感じました。

今までETFの活動が続けられてきたこと、それによって少しずつ業務の環境が改善し、その恩恵を受けている事は、ETFの活動を理解・支援していただいた歴代の経営の皆様や、諸先輩方と現FJCTメンバーのおかげと感謝するとともに、率先して改善の取り組みを進めていただいているETFメンバーには、この場を借りて重ねての感謝をしたいと思います。本当にありがとうございます。

2023年度でFJCTは解散となり、来年度からはグループとしてではなく富士通株式会社の一員という立場で働くことになりますが、ETFのような取り組みは何らかの形で継続し、エンジニアが生き生きと働き、世の中をちょっとでも良くする仕事に取組める環境やカルチャーづくりが続けられたらと思います。

年末に差し掛かり寒さもより厳しくなっておりますので、暖かくしてお過ごしください。それでは皆様、よいお年を。